(番組放送日:2016年11月15日)

※この情報は放送当時のものですので、現在は変更されている場合がございます。

日本人がかかえる体の悩み「肩こり」。どんな手を使っても肩こりなんて治らない・・・。そう諦めていませんか? そんなあなたにお伝えしたいのが、東京都荒川区にある「肩関節外来」。 ひどい肩こりで悩む多くの患者さんが連日訪れています。

神戸克明先生

こちらの専門外来を創設したのが、東京女子医科大学東医療センター・整形外科医の神戸克明先生です。

3タイプ別!簡単肩こり改善法

簡単肩こり改善法

そもそも肩こりの原因ってなんでしょうか?そのほとんどは「肩甲骨」に原因があることが分かってきました。肩こり患者の90%以上が肩甲骨に歪みがあると、先生はいいます。

さらに先生は、肩こりは大きく3つのタイプに分けられるといいます。そのタイプ別に合った治療をすることがとても重要だそうです。ではここで、あなたの肩こりは、どのタイプかを調べてみましょう! 自宅で誰でもできる「タイプ別・簡単肩こり改善法」をお教えいたします。

「扉タイプ」の肩こり

手と両肘を合わせる

(1)手と両肘を合わせる

まっすぐ上げて肘がアゴの高さまで

(2)その状態でまっすぐ上げて、肘がアゴの高さまでいけば問題はありません

この判別法でアゴの高さまで腕が上がらなかった方は、「扉タイプ」の肩こり。 肩甲骨が、下の写真のように扉みたいに開いて歪んでいる状態です。本来なら肩甲骨は平行に位置していて、腕がスムーズに上がるのですが、開いてしまっていると上がりにくくなってしまいます。
扉のように開ている

扉タイプの方は、猫背姿勢を長時間していると起こりやすいタイプ。では次に、扉タイプの改善エクササイズ「ペンギン体操」を教えていただきます。

扉タイプ改善「ペンギン体操」

こぶしを腰に

(1)握りこぶしを腰に当てる

肘をうしろへ3秒間

(2)そのまま肘を後ろへ 3秒間

ここでの注意点は、必ず握りこぶしにして行うこと。手を開いて行うと後ろへスライドしません。このペンギン体操を、朝昼晩10回ずつ続けていくと、正常な位置へ肩甲骨が戻っていきます。

「おじぎタイプ」の肩こり

次は「おじぎタイプ」の肩こりをチェックする方法です。

片方の足を90度に上げた状態

手を横に広げて、片方の足を90度に上げた状態で10秒間キープ。体がグラグラ揺れたり、よろけたりした場合は、異常あり!「おじぎタイプ」の肩こりを持っています。

肩甲骨が傾いている

「おじぎタイプ」の肩こりとは、上写真のように肩甲骨のどちらかが、前に傾いてしまっている状態です。このタイプは、背骨の歪みが関係していて、重心がズレて倒れやすくなっています。どちらかの肩にいつも鞄を下げていたりすると、左右のバランスが偏り、こういった歪みが起きてしまうようです。

改善法

おじぎタイプ改善「イルカ体操」

では、「おじぎタイプ」肩こりの改善法「イルカ体操」を先生に教えていただきます。

手を合わせてまっすぐ

(1)手を合わせて、まっすぐ上げる

腰を傾け5秒間保つ

(2)腰を傾け5秒間保つ

(3)これを左右5回ずつ行う この体操を朝昼晩、左右5回ずつ続けることによって、背骨の歪みが少し戻ってきます。 つづいては、「ハの字タイプ」の肩こりチェック法です。

「ハの字タイプ」の肩こり

両肘を直角に曲げる

(1)両肘を直角に曲げる

脇を閉めたまま腕を外側に開く

(2)脇を閉めたまま腕を外側に開く

腕が45度以上開かない人は「ハの字タイプ」。このタイプの肩こりが最も重症だといいます。
ハの字タイプ

ハの字タイプは、肩関節自体に原因があります。肩が動かなくなってしまい、肩甲骨が代わりに動こうとするので、その分、下に動かなくなってしまうのです。実は、このタイプに効果的な体操はありません・・・。肩こりを感じないくらいの重症なので、特別な治療が必要なのです。

スゴ腕の内視鏡手術

右腕が上がらない

右腕だけ肩の高さまでしか上がらないというこちらの患者さんは、まさに「ハの字タイプ」。先生の診察風景を取材させていただきました。 MRIで、肩の様子を見てみると、肩関節付近の筋肉が癒着を起こしていて大変な状態だったことが分かりました。

力こぶの筋

さらに腱板に傷ができると、そこから炎症物質が発生。その炎症物質が関節の袋の中全体に広がってゆき、充血して真っ赤な状態になります。真っ赤な状態がおさまってくると白くなって固まってゆきます。これを「フローズンショルダー(凍結肩)」、日本では五十肩と呼ばれる症状で、これが重度の肩こりの元凶です。

フローズンショルダー

腕を上げるときは通常、上腕骨を動かすことによって腕が動きます。しかし筋肉への過度な負担や加齢などが原因で腕を動かす筋肉が炎症を起こしてしまいます。すると、この炎症によって、筋肉と骨が癒着し凍ったように動かなくなる。これが「フローズンショルダー」になる仕組みです。

肩甲骨が「ハの字」

この状態で腕を上げると肩甲骨が「ハの字」に開いてしまい、その歪みによって周囲の筋肉に負担がかかり、痛みが発生してしまうのです。

フローズンショルダーの手術

フローズンショルダー治療法とは

そんな重症患者の方に神戸先生は、最終手段として行っているのが「内視鏡手術」。今回、その手術の一部始終を取材させていただきました。

上腕骨と長頭腱

患者さんの肩に、内視鏡が差し込まれました。すると、カメラが映し出したのは炎症によって癒着してしまった上腕骨と長頭腱(腕を動かす時に伸び縮みする筋肉)。これが激しい痛みの原因です。神戸先生は電気メスを使って剥がしていきます。

モニターの世界は4ミリの世界。ミリ単位の正確な指の動きが求められます。神戸先生は高度な技術で500人以上を施術してきました。

骨棘の手術

真っ赤だった患者さんの肩関節が、あっという間にきれいになりました! しかし炎症を取り除くだけで、手術は終わりではありません。痛みを発生させるもう一つの元凶があります。 それは「骨棘(こつきょく)」と呼ばれる骨のトゲ。加齢などによって骨が形成したできた突起物です。この骨棘が筋肉に当たって炎症を引き起こしていました。

骨棘

神戸先生が「シェーバー」という器具を使って、骨棘をきれいに削り取っていきます。これで手術は完了。今回、手術にかかった時間はおよそ35分。傷口の大きさは、わずか6ミリ。そのため患者さんへの負担も軽く、2泊3日の入院での治療が可能なのです。

傷口の大きさ6ミリ

手術1ヵ月後、患者さんの様子はどんな変化があったのでしょうか?

肩が上がった

ご覧の通り、ほとんど上がらなかった右腕はこれほどまで上がるように改善! リハビリを続けたら、ほぼ完治するといいます。ちなみに、治療はすべて保険適用内です。

※本記事の情報は特定の医師や医療機関への受診を推奨するものではありません。医師や医療機関へ受診はご自身の判断で慎重に行って下さい。