(番組放送日:2015年1月8日)

※この情報は放送当時のものですので、現在は変更されている場合がございます。

日本人の国民病「ひざ痛」。近年、街ランなどランニングブームの到来によって、若い世代も悩まされているそうです。痛みをだましだましで放置しておくと、階段の上り下りすら困難になるほど悪化する危険性もあるとか。そんな痛みで悩んでいる方に朗報です。実は3週間続けるだけで、ひざの痛みが改善する魔法のような運動があるんです。

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今回、改善法を教えてくれるのは、ひざ痛治療の世界的な名医である順天堂大学整形外科医・黒澤尚先生です。

ひざ痛の意外なメカニズム

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ひざ痛を引き起こす原因とは一体なんなのでしょうか?そもそも関節は骨と骨の間にある軟骨と、周囲を覆う関節包を満たす関節液によって摩擦を減らし、なめらかに動いています。黒澤先生もまず、軟骨の状態を見るため患者さんのひざをレントゲン撮影。 すると…

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痛みのない正常な状態の左ひざは軟骨の厚さが5ミリ以上あります。一方、痛みのある右ひざは、軟骨がほとんどありません。軟骨がすり減ると、摩耗粉と呼ばれる細かな破片が関節包の中に散らばることがあるのです。

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この破片が関節包の内膜に触れると、細胞内の免疫機能を司るタンパク質「NF‐kappaB」が、破片を外敵とみなして攻撃を開始。これが炎症反応となって激痛を引き起こすのだそうです。黒澤先生曰く、こうした細胞内の免疫異常がひざ痛原因の99%を占めているといいます。

ひざ痛は運動で治る

黒澤先生が行う世界基準のひざ痛治療は、簡単な運動のやり方を教えるだけという実に意外なもの。99%のひざ痛が改善されるという、その名も「黒澤式筋肉体操」のやり方をご紹介します。

(1)脚上げ体操
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効果:免疫異常の正常化、大腿四頭筋の強化

仰向けに寝そべって、片脚を伸ばし、そのまま真上に10センチ程度、脚を上げます。
上げた所で5秒間キープしてから、下ろします。
この運動によって、炎症による痛みを抑えると同時に、ひざを支える大腿四頭筋を鍛えることで、痛みの出にくいひざになるのです。

(2)横上げ体操

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効果:免疫異常の正常化、中殿筋の強化

真横を向いた状態で、上側の脚を10センチ程度上げる。
足をあげた状態を5秒間キープするのがポイント。
大腿四頭筋に加えて、ももの外側の中殿筋を鍛えることができます。

(3)ボールを使った体操

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効果:免疫異常の正常化、内側広筋の強化

脚を投げ出して、ももの間にボールを挟みます。ボールをつぶすように力を入れ、5秒後に力を抜く。これを繰り返すことで、ももの内側の内側広筋を鍛えていきます。

(1)~(3)の体操を左右20回を1セットとして、朝と夜に行うと、非常に高い効果が期待できるそうです。

筋肉体操の驚くべき効果

10年以上続いた痛みが、わずか3週間で消えたという患者さんもいるというほど、抜群の効果を発揮している筋肉体操。それは、細胞内の免疫異常を正常化する運動療法だったのです。

このひざ痛を運動で治すという黒澤先生の理論は実験によっても証明されています。

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先ほども出てきた、細胞内の免疫機能を司るタンパク質「NF‐KappaB」が活性化し、炎症を引き起こす命令を出している状態で、細胞に穏やかな運動を与えていくと、活性化を示すオレンジ色の光が消えてしまいました。運動刺激を与えることで「NF‐KappaB」が不活性化するということは、すなわち炎症の抑制を期待してよいのだといいます。

ひざが痛いからといって安静にしていては、炎症が続くだけで何の解決にもならないということでしょう。穏やかな運動で細胞を刺激することで炎症が抑えられ、運動を半年、一年と続けれることで関節やひざが強くなるのだそうです。

自宅でできる「ながら筋肉体操」

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「ながら筋肉体操」
(1)靴下をはき、椅子に座る
(2)足の裏を床にぴったりつけたまま、左右の足を交互にスリスリと動かす
(3)動かす幅は約20cm。ゆっくり、ゆっくり動かすのがポイント

1回5分を1日2、3セットでOK。
筋肉体操の効果で痛みが改善しても、穏やかな運動をやめずに継続することでひざ痛の再発防止にもつながるそうです。

※本記事の情報は特定の医師や医療機関への受診を推奨するものではありません。医師や医療機関へ受診はご自身の判断で慎重に行って下さい。